カルバトールによる側頭葉治療における猫への応用

近年の情報交通網の発達による生活の欧米化の波は、ペットと人との関係にも影響を及ぼし、もはやペットは家族のパートナー的存在となっています。
かつてはペットが病気と知っていても放置するケースがありましたが、現在では考えられなくなっています。そうした世相を背景に獣医学も発展し、犬や猫のさまざまな病気に対して、人用の薬剤の効果が認められるにつれ使用されるようになっています。
人でもしばしば問題視されるてんかんは、犬や猫の世界でも存在しますが、使用薬剤は元はと言えば人用の抗てんかん薬です。
当然種が異なるため全ての抗てんかん薬が人畜共通というわけではありません。又、犬と猫でも違いがあります。
特に側頭葉治療薬の特効薬とされるカルバトールは人は言うに及ばず犬にも使用されますが、猫への服用の事実は知られていません。
カルバトールの主成分を同じくする先発薬の猫を使った動物実験データが存在するのみで、臨床データがない状態である為、当該動物種の側頭葉治療薬は別の抗てんかん薬が選択されています。
その結果によると大脳辺縁系に対してある程度の選択的抑制効果が認められ、キンドリングに対しても抑制効果をもたらすことが確認されています。
こうした実験結果から先発薬と同じ成分であるジェネリック薬であるカルバトールにも猫の側頭葉治療薬としての有効性が期待されると推定されることが分かります。
しかしながら長期間にわたる臨床データは存在せず、長期間の投与がどのような影響を及ぼすものかも全く解明されていません。
こうした状態の中、カルバトールが比較的安価に入手できるとしても猫に対して安易に使用することは厳に慎むべきであると言えましょう。